こんにちは!設計の山口です。
今日は以前から家庭菜園ネタで取り上げている羽曳野市恵我之荘のモデルハウスの
設計時の想いについてアップしたいと思います。
私が日頃から抱いている社会への不満などを仕事を通じて少しでもカタチにできたらと考えています。
それは商品開発や実際の設計などやり方は様々ですが、今回はこのモデルハウスで
少し大袈裟かもしれませんが、このようなコンセプトを考えました。
『人が人らしくあるために』
~家庭菜園から広がる生活~
着目点①
近年、スマートフォン・リモートワーク・キャッシュレスなどテクノロジーの進化により便利な生活は欠かせないものとなりました。
今後、国が掲げる2050年に向けたムーンショット計画へ向けて更なる技術の発展が進んでいく中で、仮想空間、 AIロボット、体内マイクロチップ、などのテクノロジーの開発は、きっと先代の人々には想像の付かない世界であり、時代はさらに大きな進化を遂げようとしています。
食においても、遺伝子組み換え食品、エビや鯛などのゲノム編集食品、さらには人工肉やの開発、なぜか日本文化のイナゴではなく、いきなり激押しし始めたコオロギなどの昆虫食等々、新たな食品技術の研究が進んでいます。
(・・・個人的には便利なものとは思っていません。可能な限り避けて生きています・・・)
しかし、これらのテクノロジーに依存し、人工的につくられた食品を食べる未来の生活は便利である反面、人間本来の「人らしさ」が失われていくのではないでしょうか。
内閣府HP ムーンショット型研究開発制度より引用
着目点②
パンデミックがもたらした新生活様式やSNSなどの影響により、都会から離れて田舎に移住する人々が増加し、そこでの自給自足の生活に関心が高まりました。
(・・・私もそんな生活がしたい!・・・)
しかし、都会暮らしに慣れた人々にとっては、田舎ならではの不便さ、家庭や仕事など色々な問題から、現実的にはそのような生活を実現できる人は極めて少数であり、ほとんどの人にとっては「憧れの生活」というのリアルなところです。
着目点③
外出しにくい時期を経験した事で住宅においてもお施主様のお家における庭や畑、アウトドアリビングなどの外部空間への関心が高まりました。
人と人の対立や社会的迫害、いろんなストレスが生じた数年間でしたが、
これらによりお家は今まで以上に癒しの要素が必要とされるようになったと思います。
お家の中での癒しとして家族の繋がりの感じ方や緑というのは非常に重要です。
このような観点から3つのテーマを掲げました。
①テクノロジーが進化し続けるこれからの時代において、先代の人々が当たり前のように行っていた農作を『家庭菜園』に置き換え、そこからの学びが家族・子供達を『人らしく』成長させてくれる。
②住み慣れた都会の生活の中に「憧れの田舎暮らし」の良い部分である畑を取り入れて生活を豊かにする。
③菜園を家の中心とした計画が家族の「愛」を深める。
種を植え 水をやり 収穫し 食べる
農作から命を学び 喜びを感じる
子供達は大地とふれあい ドロドロになって遊ぶ
これは人間の素晴らしさと感じます。
庭の水やりなんかロボットがすれば良い
食材は人工的に作れば良い
もし そんなSF映画のような時代になったとしたら
大切な感情が薄れていってしまうのではないでしょうか。
ここでの生活が自然と子供達を『人らしく』成長させ
家族を深い愛情で繋ぐ
どんな時代になったとしても
大人になった子供達にとって ここでの記憶がきっと大切なものになる。
そんな想いを込めて設計を行っていきました。
・・・っと、
この調子でブログを書いていくとまだまだ長くなりそうなので
今日はこのあたりにしておきます。
具体的な建物の説明は次回投稿いたします。
~菜園日記~
暑くなってきて、一気に野菜たちが成長しています!
ゴーヤ、ナス、ピーマンの実ができてきて、
ゴーヤのカーテンも半分くらいできてきました!