建物探訪 桂離宮+角屋③ ふたたび

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師走になりましたが暖かな日が続いてますね。

先日再び角屋と桂離宮に行ってきました。

桂離宮は宮内庁管轄とあって非常に整備されています。予約制で混んでおらず、案内の方の説明を聞くこともできて、非常におすすめです。

舟遊びや月見など優雅な宴が繰り返されたのでしょう。庭は計算されつくされた庭園美とモダンさも感じることができ楽しめます。

この土橋、真っすぐ掛けられるのでは無くほんの少し右側斜めに傾けて掛けられています。

ほんの少し角度をつけることで、土橋の形の面白さを空間の表情につなげ奥行感もだしています。

アプローチの敷石のさわやかなこと。奥側の幅を5センチほど狭くして遠近法を使っているとのことです。

この書院 採光を取り込む雁行配置で、更に足元の繊細さがモダンな印象

芝生に浮かぶような姿が美しいです。

桂離宮の象徴とも言える青の市松模様。この時代に質素な中にこの斬新さ、すごい。思い切りがよく、とてもモダンです。この大きさの市松模様は遠方の建物からの見え方もも計算されての大きさだそうです。

竹の垂木や軒裏の意匠…真っすぐなものでも施工するのが大変なのに、墨付けから施工まで想像するだけでも大変…。こういった施工ができる技術が残って欲しいものです。

 

角屋はがらりと変わり華やかです。京都の島原という昔の花街に残っています。

このクラスの昔の高級料亭(祇園のお茶屋のような、更に格が高い建物というイメージでしょうか)の遺構が見れるのはここだけかと思います。

印象的だったのは壁の土の種類と色。玄関の華やかな赤の大津壁、青い浅葱土、灰色の九条土、桃山土、大阪土 様々な土が使われています。

特に玄関の赤の大津壁は必見です。大津壁は泥団子の原理でコテでピカピカになるまで磨き上げるのです。

新撰組などの男衆たちが、この玄関で迎えられ宴会をひろげた。想像すると当時の風俗が思い起こされて胸が躍ります。

桂離宮も角屋も同じような時代ですがこの宴の対比が面白いですね。ほど近い位置に配置していますので一日で回ることをおすすめします。

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